Audio Forum Vol.48

  • 2018.03.16 (金)
  • オーディオルームの室内音響設計について ②~オーディオルームの最適残響時間とは?~
告知概要

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部屋の響き具合によってオーディオ再生音の印象は大きく変化します。

AAF_vol48_img1

残響時間とは音のエネルギーが60デシベル減衰するのにかかる時間と定義されていて、部屋の響き具合の指標となっています。

「コンサートホールの残響時間は2秒が良い」などと言われていますが、小さい部屋の残響時間はどのくらいが良いのかを蔵前villageモデルルームを例にして検討します。
また、再生楽曲ジャンル(クラシック・ジャズ・ロックポップスのヴォーカル曲を使います)による最適な響きはあるのか、参加者とともに実験試聴をしてみます。

[2]
響きの長さは部屋の体積(v)に比例し、吸音力(A=吸音率×吸音面積)に反比例します。

AAF_vol48_img式

したがって一般的には部屋が大きくなるにしたがって吸音状態が同じなら残響時間は長くなります。
残響時間2秒の音楽ホールの響きが良いから、と言って自宅のピアノ室の残響時間を2秒にすることはおかしな話になりますし、実際に2秒の響きは響きすぎて使い物になりません。一般的には響きの長さを表現するのに何秒とするのは理にかなっているようでそうではないのです。

60年以上も前に加銅鉄平氏が作成した表を示します。

AAF_vol48_img2

[3]
聴感的な響きの長さは平均吸音率に反比例する・・・と考えるのが実用的な考え方になります。

AAF_vol48_img平均吸音ライブ

AAF_vol48_img平均吸音デッド
(ちなみに和室は0.4~0.6)

 

即ち平均吸音率が0.2~0.3が日常の生活音空間としては丁度良いのです。(音楽の響きは日常空間の響きが基盤)

AAF_vol48_img響きの表

我々の音楽のルーツはほとんどがヨーロッパにあります。ヨーロッパの空間は基本的にレンガや石を使った壁構造ですから、音の反射面が大きな割合を占め反射率はタタミや襖とは反対に大きい(吸音率が小さい)ので響きがたっぷりあります。したがって響きの長さに関しては弊社の設計方針としては教科書や従来の業界認識より少し長めの響きを推奨しています。

[4]
蔵前オーディオルームの特性

AAF_vol48_img吸音 AAF_vol48_img吸音2

 

 

開催概要

▶開催予定日

 1部:3月16日(金)18時~20時(17時開場・自由試聴時間) ⇒定員となりましたので締切りとさせていただきます
 2部:3月17日(土)14時~16時(13時開場・自由試聴時間)

※イベントの前に建築音響相談会および、自由試聴時間を設けます。
 建築音響相談会に関してご希望の方は、申込フォーム備考欄にご記入、もしくは電話にて事前にご予約ください。

※試聴ソフトの持ち込み大歓迎です。(ファイル音源のみの再生なので、USBメモリをお持ちください)

▶会場
蔵前ショールーム
(台東区柳橋2-19-10 第二東商センタービル2号館B棟1階)

▶お問い合わせ先
○TEL:03-5829-6035
○E-mail:kusakai@acoustic-designsys.com
○担当者名:草階(くさかい)

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参加連絡先

協賛

オーディオルームの室内音響設計について ②~オーディオルームの最適残響時間とは?~

REPORT Vol.48

  • 2018.03.16 (金)
  • オーディオルームの室内音響設計について ②~オーディオルームの最適残響時間とは?~

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