26日のオーディオフォーラムですが、お申込み多数につき、締切とさせていただきましたので、ご了承ください。
2014年も残り僅かとなりました。 12月26日に開催する第15回アコースティックオーディオフォーラムのご案内です。 今回のオーディオフォーラムは、下記の2部構成を中心として進めていきたいと思います。
A. 低音の再生の難しさ~部屋との関係ー石井式オーディオルームの設計手法~
B. ピュアオーディオにおけるスーパーウーファーの使いこなし~ECLIPSE TD725SWMK2を起用して~
A、Bのパートともにハイレゾ再生音源を視聴しながら各々1時間程度、合計2時間程度の予定です。
オーディオ再生において、低音の再生コントロールの困難さはベテランの人ほどその難しさをみにしみてわかっているようです。それほ単にスピーカーやアンプなどのオーディオ機器に依存した解決手法では限界があるということがわかってくるからです。スーパーウーファーはホームシアターでは使えても、ピュアオーでディオで使いこなしている人は多くはないようです。
足りない低音をサブウーファーで補おうということは発想は簡単ですが、思うようにいかず後戻り・断念してしまったオーディオファイルも多いのではないでしょうか?
低音の存在の仕方は部屋の形で決まる・・・・・・・・・まさに低音再生は機器・セッティング・部屋といった各々の相関関係を無視してかたることはできないという事実があります。
今回のオーディオフォーラムでは、この難しいテーマに挑みます。
「石井式オーディオルーム」の設計手法はこれらの解決に大きな手助けとなります。
【機材】
ネットワークプレイヤー / スフォルツァート DSP-03
NAS / DELA N1Z
プリアンプ / アキュフェーズ C-2420
パワーアンプ / アキュフェーズ P-4200
スピーカー / B&W 805Diamond
日時: 2014年12月26日(金)
場所:当社ショールーム
時間:19:00~21:00
お問い合わせはメール、またはお電話でお申込みください。
※定員に達し次第締め切りとさせていただきます。
皆様のご参加をお待ちしております!
26日のオーディオフォーラムですが、お申込み多数につき、締切とさせていただきましたので、ご了承ください。
2014年最後のオーディオフォーラム、満員御礼で無事終了致しました。
今回は「低音の再生について」というテーマを掲げて開催を致しましたが、ご承知のとおり、低音の再生コントロールは非常に難しい!
当社スタッフもそれを身に染みて痛感した会でしたが、その分得るものも多く、下記レポートにより皆さんと共有できればと思います。
■前半~伝送周波数特性から、試聴室の低音域の特性を解説
まずは少し遅めのクリスマスソング、カンターテ・ドミノ「Silent Night」からスタート。
フォーラムの前半は前回、前々回からの流れを汲み、伝送周波数特性についての解説からスタートしました。リスニングポジションによっては、100Hz以下の低音が不足している感もあり、ではサブウーファーでそれを補ってみてはどうか?という企画。少し理屈っぽい内容だったかもしれませんが、皆さん、配布資料を興味深そうに拝見されている様子。
解説内容については、後日のレポートで詳しく紹介します。
ここで今回の主役、ECLIPSE TD725SWMK2の登場。
楽曲は「The Beat Goes On」に切り替えて試聴します。冒頭のウッドベースの低音もそうですが、むしろ会場の臨場感、空気感がどこまで再現できるかが聴きどころでした。
ここで突然、サブウーファーを試聴席側に移動してみることに。
実は事前に測定をしたところ、周波数帯域ごとにメインスピーカー、サブウーファーそれぞれからの音の到達時間に違いがあることがわかりました。サブウーファーの方が遅れて到達しており、それを物理的に移動させ、遅れを小さくしてみるという試みでした。
「The Beat Goes On」を聴くと、ウーファーを前に出したときの方が臨場感に富み、TD725の持ち味である切れのある低音が感じられます。
ここで音源を鬼太鼓座に切り替え、和太鼓の低音再生力をチェック。
太鼓の革の震えが感じられ、超低音が試聴室内を満たします。私としては十分な低音感でしたが、会場のベテランオーディオファイルは「まだまだだな・・・」とニヤリ。
■後半~サブウーファーをFOSTEX CW250Aに切り替え、ウーファーのセッティングの可能性を探る。
後半は楽曲再生をメインとなりました。
サブウーファーをTD725からFOSTEX CW250A×2発に切り替えて試聴します。
そもそもサブウーファーを何故2発設置するのか?それはサブウーファーに信号が送られたとき、サブウーファー内のLPFを経由しても、わずかながら中高域成分が再生されてしまうがために、音像がサブウーファー側に寄ってしまうということを避けるためでした。
TD725のように大型のウーファーでは、当試聴室のサイズではそれが実現できなかったため、小型のCW250Aを用意したという経緯です。
CW250Aの設置についても様々な葛藤がありましたが、それは後日のレポートで紹介します。
後半はカンターテ・ドミノのパイプオルガンと合唱の曲からスタート。前回、前々回と続けての選曲でしたので、リピーターの反応が気になるところですが、前回以前に比べ、サブウーファーが加わったことで教会という空間のスケール感の表現力が向上している他、低音が増強されたことで中高域にも違いが感じられました。
他ではイーグルスの名曲「ホテル・カルフォルニア」1994年のMTVライブヴァージョンを選曲。聴きどころはパーカッションの低音再生、各楽器の分離感、そして会場の熱気や拍手です。これらをうまく鳴らすことで、まるで会場にいるかのような没入感が得られるのですが、多くの参加者に好評だったようです。
次回レポートでは、今回ご紹介できなかった技術的な解説をご紹介します。
オーディオ評論家の村井裕弥氏のレポートを紹介します。
第15回アコースティックオーディオフォーラムは、サブウーファーが主役だった。
前半の主役はエクリプス(富士通テン)TD725SWMK2。その名の通り、TD725SWのヴァージョンアップ・モデルだ。位相特性をどこよりも重んじるエクリプス(それまでは卵形フルレンジ一発のみ)から、まさかサブウーファーが出て来るとは思わなかったが、「そんなエクリプスだからこそ作りえた最速のサブウーファー」として、発売当初大きな話題となった。
2つの25センチ径ウーファーユニットを背中合わせに配置し、アルミシャフトで連結。これだけでも十分振動キャンセルできるはずだが、さらにユニットと連結棒を極力浮かせることによって、無振動エンクロージャーを実現。上にワイングラスを置き、「ほら、水面が揺れていないでしょ」といったデモが全国でおこなわれた。
2014年4月に出たMK2は、この無共振エンクロージャーを26%容積アップし、ユニットのフレームを鉄からダイキャストに変更。さらに振動板の剛性を高めることで、超低域の再生能力を大幅に向上させている。
後半の主役はフォステクスCW250A。価格はTD725SWMK2のおおよそ5分の1。エンクロージャーの容量も3分の1以下。しかしこれが、なかなかバカにできない。ロングストローク高能率センチ径ウーファーユニット、ユーカリ合板を2枚重ねしたエンクロージャー、強力なデジタルパワーアンプ、巧みに調整されたMFB(モーション・フィードバック)などによって、価格帯をはるかに超えたクォリティを実現。これと弟分にあたるCW200Aを筆者は何度も試用しているが、そのたびごと「こんな値段で売ってよいのか!?」とうれしい悲鳴をあげている。
この日は、まずエクリプスTD725SWMK2を左右メインスピーカー(B&W 805Diamond)のど真ん中で鳴らし、のちにTD725SWMK2をリスナー寄りに移動。休憩後は、2つのCW250Aをそれぞれメインスピーカーの直近に置いて鳴らした。それぞれの結果については、スタッフによる公式レポートをご覧いただきたいが、
○ いくら音のいい部屋でも、サブウーファーを加える意義は十分ある
○ サブウーファーの真価を引き出すには、設置位置がきわめて重要(聴き手のごく近くに持ってくるという手が思いのほか有効)
○ どれくらい低音を足してやるか(どれくらいがベストかの判断)は、聴き手によってかなり違う
○ 低音が出ない楽器のソロを再生するときでも、サブウーファーは有効(ホールトーン、空気感などが別物になる)
この4つはしっかり強調しておきたい。
最後に、この会でよくかかるオペラについて少し解説しておく。ベッリーニによる歌劇《カプレーティとモンテッキ》。1830年に初演された、いわゆるロメオとジュリエットものだ(以下、人物名をイタリア語読みにする)。ジュリエッタはカプレーティ家の娘。ロメーオはモンテッキ家当主。両家は激しくいがみ合い、一触即発状態。ロメーオは自分とジュリエッタが結婚することで、両家を和解させようとするが、けんもほろろ。ジュリエッタの父は、彼女をテバルドと結婚させようとしているのだ。
この会でよくかかるのは、父に結婚を無理強いされたジュリエッタが花嫁衣装を前に嘆くシーン。そこに医師ロレンツォが現れ、「ロメーオはすぐそばまで来ている。私が彼を連れてきましょう」と歌いかける。そしてロメーオが登場し、「ああ!僕のジュリエッタ」。ロレンツォは退場し、ふたりは激しく抱き合う。
このジュリエッタ役をアンナ・ネトレプコ(ソプラノ)が歌い、ロメーオ役をエリーナ・ガランチャ(メゾソプラノ)が歌っている。この二大スターについての解説は、さすがに不要だろう。指揮はファビオ・ルイージ。2011年メトロポリタン歌劇場来日公演で、レヴァインの代わりに振った《ドン・カルロ》はいまも鼓膜に残る。やはりこの人の本領はイタリア・オペラだ。
CD(ユニバーサルUCCG-1455/6)のブックレットには、2008年4月ウィーン・コンツェルトハウスにおける演奏会形式の上演とある。適度なホールトーンが収録され、足音などが入っていないのはそのためだ。
サブウーファー付加によって、ウィーン・コンツェルトハウスの雰囲気がより濃密に感じ取れるようになったことも付記しておこう。
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