前回はB&W802D3とJBL S4700の比較でした。
両スピーカーの特性の違いはさることながら、
第3回となる今回は、
前回のJBLとは方向性の異なるイクリプスのSPを当社リファレンスSPのB&W805D3とともに検証しようとする会です。
イクリプスのキャッチコピーにスピード・正確・空間再現力が掲げられています。
スピードと正確差が空間再現力につながるという意味だと思われます。そのようなSPであるからこそ部屋との関係,相性によってその空間再現力は大きく左右されるのではないか…?すなわち部屋の反射音のあり方によっては 空間再現力=音場再生能力 は良くも悪くも変化するものと思われます。
前回同様リファレンスのB&W805D3で再生して、イクリプスTD712zMK2に移行、その後フロント(SP後面)の吸音パネルをリスニング側に移動して音場再生音の変化と好みを探ろうというものです。
また、超低音の再生音が 空間再現=音場再生 と関係性があるのか、サブウーファー・イクリプスTD-520swの付加によるその有効性を確かめます。
イベント開催前に自由試聴時間と、
最近は来場者が多く、個別の相談ができない、
ご希望の方は、申し込み時にご記入ください。
※2部(11月25日土曜日)は満員御礼につき参加を締め切りました。
1部(11月24日金曜日)は引き続き参加をお待ちしております。
▶開催予定日
1部:11月24日(金)19時~21時(17時開場・自由試聴時間)
2部:11月25日(土)14時~16時(12時開場・自由試聴時間)
※2部は満員御礼につき参加を締め切らせていただきました。
※イベントの前に建築音響相談会および、自由試聴時間を設けます。
建築音響相談会に関してご希望の方は、申込フォーム備考欄にご記入、もしくは電話にて事前にご予約ください。
※試聴ソフトの持ち込み大歓迎です。(ファイル音源のみの再生なので、USBメモリをお持ちください)
▶会場
蔵前ショールーム
(台東区柳橋2-19-10 第二東商センタービル2号館B棟1階)
▶お問い合わせ先
○TEL:03-5829-6035
○E-mail:kusakai@acoustic-designsys.com
○担当者名:草階(くさかい)
※ お申込みフォームはこちらをクリック
今回はイクリプス TD712zMK2と、B&W 805D3の比較であった。
私自身もそうだが、イクリプスのスピーカーを専用室で聴く機会自体に恵まれず、どのような音が聴けるのか非常に興味があった。
今回も前回のJBLと同様、吸音材の配置の違いによる実験を試みた。
内容は、①スピーカー背面側の吸音材がある状態と、②その吸音材を後方の壁面に移動
①、②は部屋全体の吸音量は変わらないが、スピーカーから後方へ出る音の反射音に変化が生じることになる。
これらの違いにより、どのような印象を持つかアンケートをとった。
集計をとったところ、以下のような結果に。
スピーカー背面がライブな状態とデッドな状態ではどちらが好ましかったか?
ライブ15
デッド9
ということで、どちらかというとスピーカー背面側の吸音が無い方が好ましい印象だったという結果になった。
ライブと答えた方の多くが、フルレンジ一発によるパワー感の不足を、フロントライブによる効果で補っている印象と答えており、一方で、デッドと答えた方の意見として、遅れの無い正確な音情報がスピーカーから到達するのが心地よい、と答えているのが印象的であった。
私の印象として、805D3は総じて優等生的な音。
このサイズで低音から高音まで過不足なく鳴らすパフォーマンスは流石で、ジャンルも問わず多くの人に好まれるスピーカーだと思う。
このスピーカーが当社のリファレンスとして何年も聞き続けていることも無関係ではないとは思うが、それを差し引いても優秀なスピーカー。
対してTD712zMK2は、弦やパーカッションなどの単一の楽器の音が非常に生々しく、しかもずれの無い完璧なタイミングで再生されることが、このスピーカーのオリジナリティであると感じた。
仕事柄、業務用スタジオのエンジニアと接する機会が多いが、一部のエンジニアやミュージシャンにこのスピーカーが支持されているいるのは、このオリジナリティにあると思う。
周波数特性だけで見ると、確かに低音や高音など、フルレンジ故のデメリットはあるが、それを補える個性があると思う。
とはいえ、今回のイベントもそうだったが、我々スタッフも含め総勢20名程度の人間(吸音材)が入っているため、小型のTD712zMK2が最初から音響的に不利な条件であったことは付け加えたい。
以下はアンケートの一部をご紹介。
・I様 オーディオ歴25年 ジャズ
試聴室がずいぶんライブに作られているのに驚き
自宅の環境が思ったよりデッドなのかもしれないが、ライブでも淀みなく聴けることがわかり、参考になった。
聴く音楽によって再生環境が違うべきかもしれないとすると、音楽に向き合うのが辛いかもしれない。
・H様 オーディオ歴35年 オールジャンル
人数が多く小口径のSPには条件がハード
フロントライブが好結果だと思った。条件によりチューニングは必要
・N様 オーディオ歴35年 ロック・ポップス
フロントライブにすることで小口径スピーカーの不利さを補うことができたと感じます。
又、反響音の増加によって音量自体が増加したと思います。
・S様 オーディオ歴30年 クラシック
今日はとても楽しめた。普段ナローレンジでさびしい音に感じていた712だが、このルーム環境で聴くと805D3よりもかぶりのないクリアな音に加え、とても音楽的に楽しめる音なので驚いた。
好みで言えば最後に鳴らした712サブウーファーが最も私の好みだが更に吸音材などを適切にチューニングすればさらに音楽的に聞く用途にも十分可能だと思った。
次回は今年最後のオーディオフォーラム。
AAF_vol.46
今回はステラ様よりトリノフオーディオのst2 hifiをお借りしての開催となります。
室内音響に興味のある方は是非ご参加ください。
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