Audio Forum Vol.75

  • 2024.11.30 (土)
  • アコースティックオーディオフォーラム vol.75
開催

2024年11月30日(土) 10:00~ 14:00~

オーディオコンセントの100V屋内配線はどうする?

あるべきオーディオルームを考えたとき、建築内装音響と同時に、オーディオ機器の源泉ともいうべき100V電源の供給のあり方というのも、

大きなポイント・テーマとなることは言うまでもありません。
 
過去の2017年3月の会で、屋内配線材による音の違いをテーマに取り上げたところ、参加者の誰もが100V電源の重要さを認識した結果となりました。
(普通のコンセントと専用回線コンセントとでは大きな違いがありました。)
 
過去の弊社オーディオルームの工事案件では、規模の大小はあれど、独立専用幹線を設置したオーディオコンセント工事をしております。

20220930_132023

配線図1

・独立幹線によるコンセント専用回路
・子分電盤+専用回路(オーディオ用単体ケーブル)
・200V→100Vノイズカットトランス回路
・独立アース回路などのコンセントと家庭用通常コンセント
聴き較べをして改めてそのオーディオ効果を確かめる。
 
愛聴CDディスクで聴くと一層の変化がわかるのでお持ちください

 コンセント写真

 

今後は
➀コンセント電源系統を10年ぶりにリニューアルする予定です。
それに加えてオーディオ100V電源の専門業者による別系統の回路を新設予定です。
 
各々時期を見て(早ければ年内・来年早々に)公開する予定です。
旧電源と比較試聴できるようにします。ご期待下さい。
(屋内配線工事はタイミング次第でコストパフォーマンスの良い音質改善になります。)

参加連絡先

協賛

アコースティックオーディオフォーラム vol.75

REPORT Vol.75

  • 2024.11.30 (土)
  • アコースティックオーディオフォーラム vol.75

テーマ:オーディオルームの100V電源、その屋内配線について

イントロダクション

一般住宅の電源環境については、デジタル機器の普及に伴い、オーディオ機器にとっては益々悪化していると言われている。
電源コード・プラグ・コンセントなどのオーディオアクセサリーと言われる分野には多くの商品が出回っていて、多くの方が相応の効果を確認している。

しかし、屋内配線の交換や増設は、オーディオマニアとしてもそう簡単には手が出せない領域である。
現実的には建築工事・リフォーム工事の機会でなければ出来ないし、しかも電気工事士の手を借りなければならない。

テンパール分電盤

(もっとも、配線工事に伴う内装解体・復旧工事などの付帯工事の費用を覚悟して、チェレンジする方も多くなってきたようだ。)
(ちなみに、エレキギターのような電気・電子楽器で試してみても、歯切れの良い躍動的な音に変化するのが一聴して分かるので、多くのミュージシャンからも好評です。)
 
屋内配線経路にはブレーカーやコンセントなども含まれるが、今回は配線材にのみ着目して配線材の違いによる音の違いを検証してみた。

配線材

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
検証実験内容
当社蔵前モデルルームの6系統の常設コンセントに、
ノイズカットダウントランスを使った200V→100Vの系統を加えた7系統を用意して試聴してみた。
(余談ですが、近いうちに専門業者による別途専用コンセント回路を設置予定です。)
 
①VVF1.6-2C : 一般住宅の一般的な屋内配線材。
②EEF2.0-2C : 通称エコケーブル。少し太い。
         公共工事でよく使われる。
③CV-8     : 大電量回路に使われる太い縒り線。
④EE/F-S2.0 V2 : オヤイデ電気オリジナル
⑤④のアース付 : アースは独立アース 接地抵抗は?? 
⑥FF-20 V2  : オヤイデ電気オリジナル
⑦EEF2.0-3Cによる200V給電+ノイズカットダウントランス(200V→100V)
 
電源構成図 トランス コンセント写真
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
音源はCD
・ホリーコールトリオ 「I can see clearly now」 / JAZZボーカル
・ネルソン指揮 ボストン交響楽団 「ショスタコービィチ 交響曲第5番」各楽章の冒頭部分
・その他 参加者ご持参のCDなど
 
システムは下記の通り
 
システム構成図
 
 
 
 
 
 
 
 
 
視聴結果

難しい判断とは承知の上、参加者の方には①の普通コンセントを基準(60点)として各線材に点数を付けてもらい、一言コメントをいただいた。

②EEF2.0-3C
 点数:70~75
 音量UP、①とは違う品位のある音
③CV-8
 点数:75~90
 余裕、おおらか、開放的な音、自然なバランス
 気楽に聞ける音
④EE/F-S2.0 V2
 点数:75~80
 解像度UP、低域が伸長、音場拡大
 クリアーな音
⑤EE/F-S2.0 V2 独立アース付
 点数:70~85
 ④に+滑らかさ、静けさ
 ④より良くないという意見も有り
⑥FF-20 V2
 点数:85~95
 高解像度、筋肉質な音、全音域クリアーな音
 少しキツイ音という意見も有り
⑦ダウントランス200V→100V
 点数:80~95
 SN比UP、透明感UP、余韻が出る
 音場が狭くなる?という意見も有り
 聞いて楽しい音

*上記の評価点や感想評価は主催者の主観で平均値化した表現になっていることをお許し下さい。

まとめ

②③⑦は一般的な電線材で、大きく「A」として一括りにし、
③④⑤はオヤイデ製の特殊導体を使ったオーディオ専用電線材で、大きく「B」として一括りにすると、

専用電線である「B」は、解像度・SN比・音場のUP、高音域・低音域の伸長などが共通し、オーディオ機器の高品質化の流れと一致する。

一方、汎用電線「A」は太くなるに伴いダイナミックレンジ向上し、開放的で余裕があり聴き疲れの無い音というのが平均的感想であった。

ということで、軍配は「B」に上がるかと思いきや、意外と「A」の評価も高く点数的に大きな差はない。好みの問題と言う人もいれば、気分や曲ジャンルによって使い分けたいという意見もあった。

アースの問題は賛否両論あり、今回の実験では独立アースの有効性は確認できたものの、一般性があるかはさらに検証の機会を持ちたい。

今回のフォーラムでは参加者の方々から教えられる面が多々あって、その一つにオーディオ機器間のアースループのマイナス影響が大きいという意見が出された。

3ピンを2ピンにするコンセントアダプター(通称ブタ鼻)があれば即実験可能ということで、プリアンプに装着した場合、プリアンプとSACDプレーヤーに装着した場合で試聴してみた。結果は文章に表現しにくいので、皆さんのお宅でお試しあれ。ブタ鼻はパソコン機器におまけで付いている場合があり、引き出しの中に転がっていたりしないでしょうか?

ブタ鼻

【別途報告】

今回の実験試聴のために802D4スピーカーの間にあったオーディオラックを撤去。シンプルに3台の機器を縦積み(やってはいけない?)にしてスピーカー回りに空間を確保した結果、以前より比べてステレオ音場感が大きく向上した。このことは新しい知見ではないのだが、実際に実行してみると大きな変化・・・改めて802D4の潜在能力の高さを認識した次第です。
(機材のレイアウトは易しそうで難しいですね。)

全景 旧レイアウト図

copyright(c) acaudio.jp