第9回 「臨場感について(第三回)」
~音の空間表現と弱音再生~
微少音というのは電気系・機械系(空間系)においては、反射・残響信号情報である。デジタル伝送系においてはクロックの正確さや信号の格納方式のあり方にまでのその影響が重大であることがわかってきている。
一方、その音情報以外の情報いわゆるノイズの混入も微少レベルの伝送において無視できないようになってきた。
今回はクロック・メモリー、アースといった電気的視点と「部屋の反射音の質」がいかに音場再生の鍵を握っているのかということの試聴会になります。
【使用機器】
・クロックジェネレーター sfzPMC-01BVA
・NAS DELAN1Z
・仮想アースOYAIDEエントレックテルス
【常設機器】
・Network Player sfz DSP 03
・Pre Amp Accuphase C-2420
・Power AmpAccphase P-4200
・SP B&W 805 Diamond
追記
【テーマ】
-音の空間表現と弱音再生-
音楽再生における重要なキーワードの一つに「ダイナミックレンジ」があります。
最小音量から最大音量までの幅を「ダイナミックレンジ」と呼ぶ訳ですから、単純に「ダイナミック」≒「大音量再生」と捉えてしまっては片手落ちです。
実現出来る最大音量は「周辺環境」「部屋」「ステレオ装置」「音源」の能力で、おのずと上限に制約がかかります。
最大音量が決められてしまう以上「ダイナミックレンジ」の拡大は「微小レベル」の音楽情報を
どこまで聴き取れるように再生出来るか、にかかって来ます。
時間軸と量子化を、より細密化するハイレゾ音源の再生はこの微小な音の変化を さらに忠実に再現する手段です。
元来、人間の聴覚は大音量時の音の変化より微小音量時の音の変化に、より敏感です。
今回のテーマは、この部分に着目し開発されたネットワークプレーヤー/高精度クロック/純音楽用NAS/仮想アース装置の共演となります。
広大なダイナミックレンジを実現することで体験できる
息を飲むように引き込まれる、微小音量レベルでの躍動感をぜひお聴き下さい。
【再生ソフト】
・ベートーヴェン ピアノ三重奏曲 5番、6番
/ クーべリック・トリオ DSD 2.8M
・ショスターコーヴィッチ 交響曲5番
/ Ladislov Slovak, Slova放送響 DSD 2.8M
・Exotic Dances from the Opera
/ 大植英次 ミネソタ管弦楽団 PCM 176.4k/24bit
など・・・・・DSDやハイレゾダウンロード音源になります。
今回は早くから満員御礼となり、ご辞退いただく方が出てしまったことお詫び申し上げます。
当FORUMならではの企画やその意義を考えると、1日一回限りの会ではもったいないのではないか、という声もあることは事実なので、翌日土曜日バージョンも検討することにしております。
今回のテーマは『音場再現における微小信号の再現と部屋の反射音』であった。
最先端のDSD音源を交えながらデジタルファイル再生のためのプレーヤー回りの究極を目指す機器をラインナップすることとなった。
当試聴室常設のSfz のDSP-03に
クロックジェネレーターのSfzのPMC-01と
DELAのN1Z
の組み合わせである。
各々70万円のプレーヤーに300万円のクロックと70万円のNASを加えて試聴しようという(実験的(笑))試みである。
メーカーさんの協力ではじめてできる組み合わせだし、当試聴室のような環境でなければ、その良さがわからないのではないか・・・ということからの提案であり、また多くのオーディオファイルの注目をひいたのだと思う。
ドイツ・ミュンヘンにおけるハイエンドオーディオショーに出展帰りの製品でFORUM当日到着、クロックの通電時間は数時間というコンディションであったにもかかわらずその効果は・・・・・圧倒的であった。
(もっとも開発者のSfzの小俣氏は現実的な商品として10分の1の価格の新商品も用意されていた)
実際の再生では、同一録音によるCD規格、マルチビットハイレゾ、2.8メガDSD、5.6メガDSD音源を丁寧に比較試聴・・・・・・・・・・。
それからDELAのN1Zと通常のNAS、クロックの有りなし、・・・・・・・・・さまざまな組み合わせを試聴したのだ・・・・・・・。
当日試聴された方も含めてDSP-03単体でも十分良い音と思ったはず(・・・・思っていた)だが、・・・・・・・・・・よりおいしい料理はあるのだな・・・・・と思ってしまうのだ。
本当に良い音というのはいつも思うのだが、理屈抜きに感性的レベルで感じてるのでしょうね。
音の肌触りであったり、チョットした間のSN感であったり、音のたたずまいであったり、・・・・・・要するにリアル感(・・・…人によって差があるようだが・・・・・・)なのでしょうね。
何はともあれ、当事者を含む参加者全員がチョット後戻りするにもできないようなその様な音源再生を見せつけられたことには間違いなかったようです。
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