幹事役プレゼンテーター オーディオ評論家 麻倉怜士氏より
これまで私は数多くのオーディオ関係のイベントを催行してきたが、本Acoustic Audio Forumは個人的にとても興味がある。
オーディオのイベントというと、決まって新製品の紹介に終止するが、Acoustic Audio Forumは、「部屋」と「オーディオ」と「音楽」のトライアングルの関係性の上で、より深く音楽を愉しむ会だ。
まず私がもっとも信頼を置いている音響設計会社、アコースティックデザインシステムが設計&防音工事を行ったオーディオルームにおいて開催するというのが、他にない特徴だ。
音楽は楽器+部屋の総合特性で聴くものであるという大原則は、ほとんど場合、忘れられているが、本セミナーではまずそれが確認できる。
Acousticは「アコースティックデザインシステム」の社名の一部でもあるが、私はAcoustic Audioという新しいジャンルを表していると思う。
アコースティック・エンジニアリングの九段本社の試聴室は、まさに「響きは音楽になくてはならない要素」を体感できる。
私はオーディオ・ベーシック誌にアコースティックデザインシステム試聴室について、このようにリポートした。
「もの凄い……と形容できるほど響きの量が多い。しかし、まったく不快ではない。全帯域に渡ってバランスがとれた大量の響きを持っている。
ちょうど、ヨーロッパの教会がひじょうに響きが多いのだが、その中では心が洗われるのと同じような感覚だ」。
もちろん、この響きの量はコントロール可能だ。
この部屋を中心に、アコースティックデザインシステムが手掛けた関東一円のオーディオルーム(一般家庭も含む)で、オーディオと音楽のイベントを行うというアイデアは素晴らしい。
なぜなら、部屋と一体になることで、オーディオはオーディオ的な音を脱し、音楽を奏でるからだ。
部屋とオーディオで愉しむトークテーマは幅広い。
最新機器、旧来機器のハードの話、マスタリングエンジニアをお招きしてのマスタリング話、レコード会社のディレクターをお招きしての制作話、メーカーの設計者をお招きしての話題のオーディオ機器を堪能する……などのテーマを考えている。
毎月一回のイベントは、山之内先生と交代でプロデュースする予定だ。
実は、私の部屋もアコースティックデザインシステムの設計なので、将来はうちでイベントするかもしれない。
(以上)
ナビゲーターには経験豊かなオーディオ評論家の方たちがされますが、音楽家や音楽評論家、音楽制作者、オーディオ機器設計者など多彩な顔ぶれをお招きし、『音楽とオーディオの幸福な関係』をテーマにさまざまな切り口を用意、オーディオ愛好家の皆様と楽しく有意義なフォーラムにしたいと考えてます。
(株)アコースティックデザインシステム 鈴木泰之
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