第1回 「最新のDSD対応ネットワークプレーヤーとその再生環境について」
Part2 高幡不動セッション
解説: (株)スフォルツァート/小俣恭一氏、 麻倉玲士氏
8月4日(日)13~15時/15時半~17時半
各回 定員15名様・予約制となります
(申込TEL:090-8462-3021 フシグロまで)
会場:(株)スフォルツァート試聴室(地図)
【試聴機材】
・DSD対応ネットワークプレーヤー sfz DSP-03
・DSD配信対応 NAS BUFFALO LS421D0402P
・プリアンプ Fundamental LA10
・スピーカー MEG ME901KA 他
今回のテーマは『最新のDSD対応ネットワークプレーヤーとその再生環境について』である。
sforzartさんの試聴室をお借りするにあたりその概要を紹介しよう。
sforzart試聴室は2年前,当社の防音工事の設計施工でつくらせていただいた。
同社のデビュー作品で当初から評価の高いネットワーク・トランスポートDST-01は当時開発途中にあり、光栄にも最終音決め試聴に使われた。
設計にあたり小俣sfz社長とで練り上げた設計コンセプトは以下のとおりである。
オーディオ機器の開発試聴室の基本条件を満足することと,普通の居住空間に近い響き
1:音が入って来ない,音が漏れないこと・・・・・・・・
内部⇒外部の音圧レベル差D-65~70、完全浮き防音構造にする。業務用防音工事と同レベル。
2:室内騒音を極力小さくする
デジタル時代に入ってからはオーディオ機器のSN比は格段に向上、100db以上が珍しくなくなっている。
ダクト式エアコンを採用し、この試聴室のNC値は25で放送局のスタジオ並みのスペック になっている。
3:部屋特有の響きによる特定の音域のクセが無く、全音域にわたってナチュラルでバランスの良い減衰特性を持っていて、モニタースピーカーの伝送特性はできるだけフラットでバランスの良いものにする。。
4:部屋の位置による試聴レベルの変化が少なくスウィートスポットの範囲が広く、生活感覚に近い空間。
言葉の表現では理屈っぽくなってしまうが、単純に簡単にいえば検聴がし易いうえにリラックスして音楽を聴ける音の良い普通の空間ということである。
先ずはご来場して、体験するのが一番である。一聴は百聞にしかずである。
sfz(sforzart)試聴室と当社ADS(アコースティックデザインシステム)試聴室の音響特性はきわめて近いといえるが、あえて違いと言えばMEGとB&Wのスピーカーの放射特性の違いだろう。
sfzのそれは実体感のある音像表現、ADSのそれは空間音場感表現。
いずれにせよ、スピーカーの存在が消え、音楽そのものが出現する空間・・・・・それが実現していたら、スピーカーが消え、部屋そのものが意識になくなり・・・・・音楽そのものが出現・・・・・それが理想なのだが、いかがでしょうか。
本日はお暑い中、ご来場いただきありがとうございました。
今回は先週に続きスフォルツァ-トさんの新製品試聴を中心に2回目となります。
が、オーディオ評論家・麻倉怜士をプレゼン幹事役とするこのフォーラムの実質的に立ち上げスタートとなる会になります。
『オーディオと部屋』が基本サブテーマとなるこの会の会場はスフォルツァ-トさんの試聴室をお借りすることになりました。
新進メーカーであるデビュー製品の最終調整は出来上がったばかりのこの部屋で行われた様で、本日の2弾目の新製品DSP-03 はまさに試作から最終調整までこの部屋で行われたということで、まさにスフォルツァ-ト・小俣さんの意図通りの音が聞けるという願ってもいない会と言えます。
この部屋は、木造ツーバイ工法の新築によるもので小俣氏の所有の賃貸共同住宅の一角につくられました。
この部分に関しては建物の設計が『試聴室ありき』か
ら設計が始まっていますので、4mもの天井高をご覧になってわかるように、通常の木造の住宅標準設計を大きく超えるものですが、新築だからこそできることなのです。
当社は幸運にもご縁があってって、計画当初から参画、音響設計・施工のノウハウがふんだんに入ったこのようは部屋を作らせていただいたという経緯があります。
当社は新進メーカーのスフォルツァ-トさん同様、皆さま方のようなオーディオファイルには聞き慣れない会社と思われますが、音響建築の会社でして35年の実績があります。おもに個人の演奏家のお部屋からプロ用のレコーディング、モニタリングのスタジオなど首都圏を中心に全国で2千数百例ぐらいの防音工事実績がございますが、残念ながらオーディオルームは力を入れてこなかったという経緯のせいか、全体の数パーセントしかございません。
いつの日か皆さまのお役に立てることがあるかもしれませんが、今後ともよろしくお願いします。
長年の経験で改めてわかったことは、小さな空間になるほど、音響設計のシンプルな基本に忠実でなければならないことだということです。
それは
①・・・部屋は本質的に共鳴器であるから、共鳴が分散する様な部屋の形・プロポーションでなければならないこと。
②・・・部屋を構成する床・壁・天井の各部位が高剛性であること。
という2点です。
これはメカと電気に強いオーディオファイルである皆様方の基本認識に近いのではないかと思います。
高級オーディオ機器の筐体や部品は振動しにくいもの、振動を起こしにくい支店を作るなどといった振動対策は不可欠のようです。
電気音響(オーディオ)の世界と建築音響の世界はつまるところ極めて近い関係であるともいえるのです。
それから比べれば吸音の話などやしや・・・電源供給関係の話は後に続くお話しとなります。
前置きはさておき、当社の防音工事による遮音性能をはじめとして、当社のさまざまなノウハウが典型的に具現されてるスフォルツァ-ト試聴室の音をお聞きいただけました。
小さな音の粒立ち・ニュアンス・・・・・・・飽和感(歪感)の無く、大きく伸びる音量・・・・・・。
楽曲の持つダイナミクスやディテールの細かさを楽しんで頂けたのではないかと思います。
8月4日、弊社が設計、防音工事を行った(株)スフォルツァートの試聴室で開催。
オーディオ評論家の麻倉玲士氏をコメンテーターとしてお招きしDSD音源の魅力、部屋と音源の響き等について解説していただいた。
今回は前回同様、スフォルツァート社のDSD対応ネットワークプレーヤー sfz DSP-03をプレイヤーに使用。またBUFFALO社からも現在開発途中の DSD対応のオーディオ再生に特化したSSD掲載NASもご提供いただき、その音の違いを参加者に体験いただいた。
参加者の方がまず、驚かれたのが会場に入って直ぐに気づかれるのが音の「響き」の良さ。
試聴のスピーカー、ムジーク社のRL 901Kから奏でられるDSD音源にさらに良質で心奪われる「響き」を加味していました。音のダイナミクスも素晴らしく、静けさの後の地の這う様な低音、ホールの床素材も解る様な低域から抜けるような高域、シンバルや弦や管の倍音感をたっぷり含んだ高域まで余すところなく再現していました。
また、スピーカーのスイートスポット以外の場所でも低音が大きく聞こえる等の音の偏りも無く、聴こえる事にも驚かれていました。
(ちなみに 901Kはスイートスポットの範囲は狭い業務用のモニタースピーカーです。)
これらの部屋の秘密についても当日のフォーラムでは解りやすく、丁寧に麻倉氏ならびに弊社より解説。
適切な部屋の寸法比、壁、床、天井の構造などがポイントであり、試聴室に関する過去の雑誌記事もご参考いただいた。
仕様としては、天井高は4mあり、壁は漆喰塗りで仕上げ、床は浮き床構造のコンクリートの上に試聴席側は無垢のフローリング、オーディオ機器側は御影石で仕上げ、それぞれは縁で切ってあるという、かなり拘りのある凝った仕上がりである。
セミナー内容としては、前回同様、既存のPCM音源とDSD音源の音のスケール感やディテールの細かさ等の違いを実際に試聴し、麻倉氏の解説を交えながら体験していただいた。前回とはまた違った切り口の解説で前回のご参加者にも楽しめたのではないでしょうか。
また、今回は参加者からの質問や意見交換の時間も設け、より有意義な情報を交わす事が出来たと思います。
先日のアコースティクオーディオフォーラムPart2
当日の参加者とコメンテーターとの意見交換の様子をアップいたしました。
フォーラム終了後も色々と意見交換を熱心にされていたり、折角の響きの良い防音工事された部屋での試聴、いつもと違う再生環境で音楽を楽しまれていました。
当日のご来場アンケートには「個人的には音量が小さい感覚ですが、部屋のSNが良いためか、細部まで良く聞こえること、小音量でもDレンジの広さを感じられることが新鮮でした。」とのご意見も頂きました。
良い音源と再生機器、そして音が響く部屋、このコンビネーションをお楽しみ頂けたのではないでしょうか。
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